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研究室訪問の前に

年末にさしかかり始めると,2年生は3年次のゼミ配属に向けて研究室訪問を開始されることと思います.その際,さまざまな情報を元に研究室選びをされることと思いますが,私たちの研究室ではおよそ以下のような流れで検討していただけるとよいのではないかと考えています.

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ステップ1. 「学習の手引き」を読――まない!

入学時に配付された資料の中に,緑色の表紙の小冊子があると思います.「学習の手引き」と書かれたこの冊子には,学科に所属する全ての研究室の所在地や連絡先,電話番号などが記載されています.もちろん遠田研の情報も記載されていますが,毎年忙しい時期に更新の依頼が来るので対応しきれず,つい古い情報のままとなってしまっています.2025年度末現在,そこに書かれているような課題設定ではゼミとして取り組んでいないので,申し訳ないですが内容的には参考にならないのでご注意ください!(遠田研だけに限りませんが,他のゼミに関しても必ず最新の情報をチェックするようにしましょう)

ステップ2. インターネットで調べてみる

たいへん残念なことに,私たちの研究室がネット上にリリースしている情報はあまり多くありません.過去の卒業研究の内容など,整理してみなさんに見ていただけるようにする準備を進めていますが,まだ公開には至っておりません.ですがこのウェブログに辿り着いているということは,他の記事も参照されていることと思います.私がコラムとして以前掲載した里山に学び,調和をデザインする」の記事が,研究室の方向性を示す一次情報としてはわかりやすいかと思いますので,まずはそれを一読いただければと思います.

https://blog.entalab.org/

ステップ3. Instagramで「entalaboratory」をフォローする

研究室の在学生(広報係)たちが定期的にインスタで活動の様子をレポートしてくれています.学生たちの日常や,ゼミでの活動の一端などを覗うことができますので,研究室の雰囲気を知りたい場合はインスタの投稿記事やストーリーズが参考になります.ストーリーズを年度ごとにアーカイブにしてありますので,そちらをご覧いただければ,4月から3月に向けて1年間がどのように進んでいくかよく分かると思います.

https://www.instagram.com/entalaboratory/

ステップ4. NotebookLMで質問してみる

最近始めた取り組みですが,生成AIのひとつである〈NotebookLM〉に研究室の情報を集約してあります.こちらはチャット形式で質問することが可能(要Googleアカウントとログイン)なので,とりあえず調べてみたいことや気になったことを自由に質問してみてください.そのほか,研究室のミッション,ゼミの課題,卒業研究のテーマ,就職活動の状況などのサブテーマに分けた音声解説の資料も用意してありますので,大学への移動中などに聴いていただくだけでもかなり理解できるようになるかと思います.

https://notebooklm.google.com/notebook/7e2a88c8-6e40-462f-a1c5-a26f83287aca

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ここまでが研究室訪問までの間に取り組める情報収集の情報源かと思います.何も調べずに研究室訪問をするより,多少のことは知った上で訪問される方がお互いにとって有益だろうと思います.

その上で,さらに深く知りたいということであれば,以下のステップに進んでください.

ステップ5. 研究室を実際に訪問する

「学習の手引き」などに遠田の連絡先(メールアドレス)が記載されていますので,そちら宛に研究室訪問の日程調整を依頼する連絡をしてください.できれば2~3候補をいただけるとありがたいです.メールで日程調整をした後,研究室に来ていただく際には,具体的に質問したい事項などをいくつか挙げておいていただけると助かります.メールで連絡をいただいたご本人だけでなく,友人と連れ立ってきていただいても構いません.ここでは私からみなさんの質問に答えるかたちで進行し,その後で補足的に全体の説明させていただく流れとなります.

ステップ6. 研究室を実際に訪問する(2回目)

研究室の学生目線での側面も知っていただきたいので,なるべく早いタイミングでゼミ室(40-604室)の様子を見学に来てください.こちらは日程調整など必要ありませんが,火曜日か金曜の5限以降であればゼミ終了後の時間なので,在学生に直接話を聞ける可能性が高いです.3,4年生の先輩とも今後一緒に活動してゆく事となりますので,一緒にやって行けそうな先輩かどうかも研究室選びの重要なポイントかと思います.

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少々長くなりましたが,研究室訪問に前後して可能な,さまざまな情報収集の仕方についてお知らせしました.4月の配属面談の際は,研究室訪問をされているかどうかというのが選考における大きな判断材料になりますので,時間を見て,早めに取り組まれるとよいかと思います.

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