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令和4年度 卒業研究成果展が開催されました

2023年1月26日(木)~1月28日(土)にわたって本学39号館1階にて開催された卒業研究成果展において、研究室所属の4年生11名が無事に出展を終えました。今年はコロナ禍の災禍もいまだ癒えぬ中、それでも以前の成果展と同様の実施を目指した展示会となりました。多くの方にご来場いただき、また、学生たちの展示にも熱心に耳を傾けていただき、ありがとうございました。

今年度の卒業研究テーマは以下の通りです。
宇根歩:飲食行動により得られるリフレッシュ感に対して休憩空間の形態が及ぼす影響に関する研究
志村駿太:ゲーム体験を介したアイデンティティ形成が自己認識に与える影響に関する研究
鈴木健留:甘い物への欲求に対して不快感を与えない一定量の糖類摂取がもたらす満足感について
須藤那名香:モノの選択における〈かわいい〉感情が無意識の行動に及ぼす影響について
高柳伸:色彩特性に基づいた街並み景観に対する印象評価モデルの構築
田澤勇志:無音状態と自然音がある状態での騒音の感じ方の違いが集中力に及ぼす影響
垂石優也:音楽と香りの組み合わせからなる相乗効果に関するストレス緩和の研究
徳永光平:動画を利用したイメージトレーニングが面接本番のパフォーマンスに及ぼす影響
古谷亮子:製造過程において偶発的に生まれる不均一性(ムラ)が感覚的価値に対して及ぼす影響に関する研究
三知矢剛大:食事環境に取り入れたナラティブ・アプローチが味の感じ方に及ぼす影響について
村松恵:日常の行動選択における選択肢数の適正化が選択者の心理的ストレスの緩和に与える影響に関する研究
梨本貴大:日本酒の銘柄名を構成する文字から想像される味の印象について

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里山に学び,調和をデザインする

遠田研究室は「里山に学び,調和をデザインする」というテーマを掲げ,人間と自然とがよりよい関係性の中で共に暮らしてゆくための方法と,そのための住まいの在り方について研究しています . 以下の文章は学内向けに書いた原稿ですが,現時点での研究室の考え方として最も整理されていると思いましたので転載しています.自分自身のマニフェストとしての意味合いが強いですが,研究室選びの参考などにもなるかと思います. -- 1. これまでの経歴について 1999年,早稲田大学理工学部建築学科に入学しました.2009年に同大学大学院理工学研究科建築工学専攻博士後期課程を修了し,博士(建築学)の学位を受けました.学生時代は,建築計画におけるICT・IoT(情報通信技術)の利活用に関する研究を中心に,人間工学や環境心理,防災といった幅広い分野の研究テーマに携わりました.早稲田大学での助手,東京理科大学での助教という職を経て,2015年4月より現職に着任しました.社会人としての活動は大学での教育・研究職に限りますが,早稲田時代から直接指導に関わった卒業生は現在までにおよそ150名に上ります. 2011年の東日本大震災をきっかけとして都市に暮らすことに疑問を持ち,2016年に千葉外房の茂原市へ,2019年にはそこから少し南に下った睦沢町の里山に移住しました .これからの日本人はどう暮らすべきかを考えながら,その時々で気がついたことをSNS上の「 諧○亭日記 」で不定期に連載しています. 2. 紹介したい研究やプロジェクト、作品などの概要 2019年に竣工した自邸「諧○亭」のプロジェクトです.このプロジェクトは,客観的には一軒の家づくりでしかありませんが,これは当時, 私たちが考えた「これからの日本人の暮らし」とはどうあるべきか,その器としての住居はどのようでなければならないか,自然環境との関わりはどうあるのが望ましいのか,ということを考え抜いた先にたどり着いたひとつの答えでもあります . 水田と山林に囲まれた里山を敷地とすること,平屋でありながら高床であること,施工精度が高く作られた構造躯体と住み手自身が施工した居室とが混在すること,などを空間が持つカタ,つまりモデルとして設定し,そこに方位や地形,材料やコストなどの現実的な要素を当てはめて具体的な住居としてカタチにしました.建物自体のカタチの奇抜さ...

令和5年度 卒業研究成果展が開催されました

2024年1月25日(木)~1月27日(土)にわたって本学39号館1階にて開催された卒業研究成果展において、研究室所属の4年生12名が無事に出展を終えました。今年はコロナ禍前と同様の形式で実施され、卒業生にも多くご来場いただきました。その様子はさながらプチ同窓会のような様相で、教員としてもとても微笑ましく感じるものがありました。 今年度の卒業研究テーマは以下の通りです。 五十嵐温翔: 家具のセルフビルドが所有感や関係性に及ぼす影響 石井大賀:献立を決める際の満足度に意思決定の方法が及ぼす影響 木原優斗:SNSのUIデザインがテキストの読みやすさに及ぼす影響 齋藤芽吹:視認できる壁面の形状が部屋のまとまり感に与える影響 櫻井優也:1/fゆらぎ音の聴取による運転手のストレス状態への影響 鈴木章起人: 害獣から得られたジビエレザーの利活用に関する研究 土屋駿介:ムラのある光がリラックス行動に及ぼす影響 遠山伸哉: フラクタル性を持つ表面との接触が与えるリラックス効果に関する研究 夏目紫杏:二者間のパーソナルテンポの違いが作業の同調に与える影響 野口真誠: 古材製品のバックグラウンドを説明することが製品評価に与える影響 平岡遼太郎: 壁面照明のゆらぎがオフィスワークに対して及ぼす影響 山口裕貴:紙面レイアウトを構成するために用いた比率と印象評価との関係 今年の4年生たちは研究室としてのテーマが大きく変わる端境期にあったため、個々人の興味と卒研としてのテーマ設定との間で煮え切らない部分があったかも知れません。また、対外的に見れば、いままさに研究室が掲げようとしている「里山に学び、調和をデザインする」というテーマとどのように一致するのかという点で疑問に思われるものもあったと思います。そういった困難さを内包しながらも、この1年間、卒展が終わった後の本論の仕上げに至るまでよくがんばってくれたと思います。例年思うことではありますが、遠田研での卒論を乗り越えた事実が、これから社会人になった後に彼らを支えるものになってくれればいいなと思うと共に,そうなると信じています。

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日本デザイン学会 が主催する「 秋季学生プロポジション 」において、研究室に在席する志村駿太くん(数理情報工学専攻 修士1年)が優秀賞を受賞しました。 卒業研究で取り組んだテーマ「ゲーム体験を介したアイデンティティ形成が自己認識に与える影響」をより発展させ、頒布用のパッケージデザインやブックレットなども作成した上で臨んだ学会発表において、研究内容とあわせてそれらの取り組みが評価されました。